自転車な話/2008-05-29
＜ジロ・デ・イタリア＞第18ステージ、かっ飛び火の玉イエンス・フォイクト、ステージ優勝！ †
ジロ・デ・イタリア公式ページ
ジロ・デ・イタリア第18ステージはメンドリシオからヴァレーゼまでの147km。
スタート地点の雌鳥塩、いやメンドリシオからしばらくは来年の世界選手権のコース、そしてヴァレーゼでの3周回のコースは今年の世界選手権のコース、だそうな。スタート地点付近はテレビでやってなかったのだけど、ヴァレーゼの周回は確かに世界選手権向きのコース、ですねえ。結構厳しそうです。日本人選手が先頭集団でついて行けることを祈るばかりです。
現地は天候も悪くなって、途中から雨の中のレース。そういや、今年のジロは雨が多い…
レースは12人の逃げが決まった。その中には今年マリアローザを取ったことのあるボシージョ（LPRブレイクス）やイタリアチャンピオンのヴィスコンティ（クイックステップ）、逃げ出したら手がつけられないフォイクト（CSC）、総合15位のカルデナス（バルロワールド）、パリ〜ニースで総合2位のノチェンティーニ（AG2R）、総合スプリント賞のベンナーティ（リクイガス）、そして2年連続の世界チャンピオン、ベッティーニ（クイックステップ）らがいる。
後続もゴール前が登りと言うことでスプリンターのいるチームは追走の構えを見せず、集団をひいているのはエースのコンタドールを擁するアスタナくらい。その差はまったく縮まらない。前の12人の逃げを追認したかたちだ。
終盤、ヴァレーゼの周回に入った残り25km、一時、登りでは遅れているようにも見えたフォイクトが猛然とアタック。距離がまだあるということでか、残された11人はすぐには追いかけない。これが結局致命傷になった。
私は、かつて彼がクレディアグリコルにいるときに、彼の逃げを見て思わず「かっ飛び火の玉イエンス・フォイクト」、と個人的に名付けてしまったことがある。彼の逃げはまさに「かっ飛び」、だ。力尽きるまで全力で走りきる、ホントに気持ちのいい逃げを見せてくれる選手である。最近はCSCでアシストばかりやっているので、なかなかそういうシーンが見られなかったのだけど…
その早すぎるとも思われた逃げが見事に決まり、逃げるのが得意なフォイクトだけあって、後ろの11人との差はどんどん開いていく。
途中、差に気がついたボシージョ、ヴィスコンティ、ノチェンティーニらが追走するが、時すでに遅し。フォイクト、エネルギー点火で3人の追走さえも引き離していく。すごい〜。
残された集団からは、ある意味今日が本命視されていたベッティーニ、アタックをかけるが、結局集団に戻されてしまう。その集団もフォイクトからどんどん離れていく…
メイン集団では、バンデンブルックがカルデナスに逆転されるのを嫌ったサイレンス・ロットの選手たちが前を追走する。しかし、かれらもフォイクト1人の早さには勝てない。こちらもどんどん差が開いていく…
残り3km、最後の登りに入ってもフォイクトを脅かすものは何もなかった。
最後、坂を登り切りゴールに向かう彼の表情は余裕。後続との差は1分以上。勝利を確信したフォイクト、ジャージを直し、両手を挙げ、最後は右手をあげ、その右手を振り下ろしてゴール。ベテランのフォイクトだが、ステージ優勝は初めて。ステージ2位には1分7秒遅れの3人野中からまずヴィスコンティ、ステージ3位はノチェンティーニ（AG2R）となった。
チームCSC；イエンス・フォイクト プロファイル
総合上位は集団ゴールのためタイム差も変わらず。
総合リーダーはコンタドール（アスタナ）、2位に41秒遅れのリッコ、そして3位に1分21秒遅れのシモーニ。
総合ポイント賞は今日も5位のポイントを取りに行ったベンナーティ、総合山岳賞はセッラ（CSFグループナヴィガーレ）、そして総合新人賞はリッコ、である。
それにしても、最後までどうなるかと思っていたのですが、フォイクトのすごい逃げ、相変わらず健在なのでほっとしました。
しかし明日からは日曜日の最終日まで、２つの山岳ステージとタイムトライアルのレース。明日以降もまだまだ大きく順位が動きそうな予感♪
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