自転車な話/2008-05-31
＜ジロ・デ・イタリア＞第20ステージ、セッラ、ハットトリック！総合優勝争いは4秒差であと1日… †
ジロ・デ・イタリア公式ページ
ジロ・デ・イタリア第20ステージはロヴェッタからティラーノまでの224km。
途中、今年のジロもっとも標高の高い「チマ・コッピ」ガヴィア峠（標高2618m）を越え、ジロ屈指の厳しい登りのモルティローロ峠を越え、さらにアプリカ峠を登って下ってティラーノの街にゴール、というコース。
途中のガヴィア峠では道路の両端はまだまだ雪の壁がそびえ立っていた。モルティローロも雪が残っていたし。最終日前日になってこんな厳しいコース、しかも224kmもあるし〜（汗）
レースはガヴィア峠に登るところで飛び出しに成功したペレス（CSFグループナヴィガーレ）、バリアーニ（CSFグループナヴィガーレ）、コロム（アスタナ）が逃げ、それをコンタドール（アスタナ）、リッコ（サウニエルデュバル）ら総合上位陣のメイン集団が追走するという展開で、大会屈指の難コース、モルティローロへの登りに入る。
この厳しい登りで、徐々に選手たちが遅れていく。総合上位の選手たちもブルセギン（ランプレ）、ペッリゾッティ（リクイガス）、そして昨日がんばったディルーカ（LPRブレイクス）が遅れていってしまった。シモーニ（セッラメンティPVC）もなんとかついていってる感じ。そして前で逃げていた選手もコロム以外はメイン集団に追い抜かれてしまう。
ディルーカは一時は一緒に追っていたブルセギンらからもおいて行かれて、モルティローロの登りだけで大きく遅れてしまった。
下りに入ってブルセギン、ペッリゾッティら登りで遅れた選手がメイン集団に追いついてくるが、ただ一人、総合３位のディルーカだけは追いつけない。逃げていたコロムを吸収し、11人ほどの集団で次のアプリカ峠への登りに。
ここでセッラ（CSFグループナヴィガーレ）がアタック。セッラはモルティローロでも何度もアタックしていたのだが、逃げるたびにリッコに追いつかれてしまう。どうやら昨日のレースでリッコが、セッラがコンタドールをひいていた、と思っていたらしい。それでモルティローロでは逃げ切れなかった。
しかし、このアプリカ峠ではすんなりアタックが決まった。さらにセッラを追ってシモーニ、ロドリゲス（ケースデパーニュ）らが追走。一方コンタドールらは一瞬牽制が入ってしまった。唯一2人の選手がいるアスタナは先頭をひかない。リッコやブルセギンはかなり不満だったようだが、それでも前を追走し始める。
シモーニとロドリゲスはセッラを追い上げようとするが、セッラ、昨日と違って今日は快調。かつてジロを２度制したシモーニとの差をどんどん広げていく。
アプリカ峠の山頂はセッラが先頭で通過、1分近く遅れてシモーニ、すぐロドリゲス、さらに1分37秒遅れてコンタドールらの集団。一方ディルーカは後ろから追い上げてきたカルペツ（ケースデパーニュ）とともに追走するが、スピードがあがらないままさらに差を広げられて山頂を通過。昨日のすばらしいアタックの分が今日は倍返しで帰ってきた感じだ。
セッラは下りでも快調に飛ばして後ろからの追い上げを許さない。そのままティラーノの街へ入って残り1km。後ろを振り返るが誰もいない。右手を挙げてチームカーに近づき、指で3を形作って今年のジロ3勝目をアピールする。最後は両手を挙げて笑顔でゴール。今年のジロ、3勝目を飾った。山岳系の選手が3勝するのってめずらしいのでは？
ステージ2位は1分5秒遅れてシモーニ、ステージ3位は1分22秒遅れでロドリゲス、そしてディルーカをのぞく総合上位陣はほとんどこの後の集団で1分30秒遅れでまとまってゴール。ただ、ディルーカだけは大きく遅れて5分27秒遅れでゴールラインを通過。マリアローザはもちろん、3位までの表彰台さえも遠くに行ってしまった。
CSF Group-Navigare:Emanuele SELLAプロフィール
総合争いは、総合1位のコンタドールと総合2位のリッコは変わらず、その差はあいかわらずわずか4秒。総合3位は大きく遅れたディルーカに変わって、ブルセギンがちょうど2分差。
総合新人賞、総合山岳賞、総合ポイント賞は変わらず。
それにしても、セッラ、またまた勝利で3勝目ですねえ。これまで期待されながらジロでは1勝したしてなかったセッラですが、ここへ来て続けざまに勝利。最後、ゴールしてうれし涙のシーンもいいですねえ。ほんと、すばらしい走りでした。
そしていよいよ明日がジロ・デ・イタリア最終日。今年は普段のスプリントではなくて、個人タイムトライアル、ということで、順位に大きく変動があるかもしれないですね。
なんと言っても総合優勝争いは、1位コンタドールと2位リッコの差はわずか4秒。90時間近くも走ってきてわずか4秒。すごいですねえ〜。もし何かあれば、あっという間にひっくりかえる差です。そしてもう一つ気になるのが総合3位争い。総合3位以降は、
3位 2分00秒遅れ ブルセギン（ランプレ）
4位 2分05秒遅れ ペッリゾッティ（リクイガス）
5位 2分35秒遅れ セッラ（CSFグループナヴィガーレ）
6位 2分47秒遅れ メンショフ（ラボバンク）
と、かなりの僅差。山岳系のセッラは若干厳しそうな気もするけど（でも今一番勢いは有るかも…）、この4人が表彰台の最後の一角を争うことになります。果たして総合優勝、そして表彰台に立てるのは誰になるのか、楽しみです♪
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