自転車な話/2008-06-01
＜ジロ・デ・イタリア＞最終ステージ、ピノッティがジロ初勝利、総合優勝はコンタドール！ †
ジロ・デ・イタリア公式ページ
ジロ・デ・イタリアもいよいよ最終ステージ。例年ならミラノでのスプリントが見られるステージなのだけど、今年の第21ステージはチェザーノ・マデルノからミラノまでの28.5km、ミラノはミラノでも個人タイムトライアル。
しかし、ここへ来てのタイムトライアル、結果としてよかったのでは。というのも、第20ステージ終了時点で総合リーダーのコンタドールから総合6位のメンショフまでは2分47秒。というか、総合リーダーのコンタドールと総合2位のリッコまでわずか4秒差、総合3位のブルセギンから総合6位のメンショフまでの4人が47秒の間にひしめいている状態。
まさに優勝争いと表彰台（総合3位まで）争いが混沌としている状態だ。
それにしても、ここまでのジロは雨が多かったのだけど、今日のミラノは雨はなくてよかった。
レースの方は、まず2番スタートの今日もティンコフ、イグナチエフ（ティンコフ）がいきなり32分55秒のトップタイム。イグナチエフ、フォームも早そうだけど、やっぱり早い！
14番スタートのマルティン（ハイロード）が32分52秒で更新。さらに75番スタートのイタリアのタイムトライアルチャンピオン、ピノッティ（ハイロード）が32分45秒でトップタイムを更新。このピノッティのタイムを更新する選手がなかなか出ない。ウィギンス（ハイロード）、ヴァンデヴェルデ（スリップストリーム）、ペイト（スリップストリーム）が3人に迫るタイムを出すが、やはりこの3人のタイムには追いつけない。
それにしても、今日のステージの上位選手はハイロードとスリップストリームばかり。すごいなあ。ついでに、スプリンターのベンナーティ（リクイガス）が実は7位でのゴール、というのも不思議にすごい。ミラー（スリップストリーム）やグセフ（アスタナ）よりも上位だったのだ。
この後、トップタイムが更新されることのないまま、いよいよ総合上位の争いとなる。
総合順位の逆順でスタートするので、最後の6人はメンショフ（ラボバンク）、セッラ（CSFグループナヴィガーレ）、ペッリゾッティ（リクイガス）、ブルセギン（ランプレ）、リッコ（サウニエルデュバル）、そしてコンタドール（アスタナ）の順でスタートしていく。
10.9kmにある最初のチェックポイントで、タイムトライアルの得意なメンショフがピノッティから37秒遅れと意外にタイムが伸びない。山岳のセッラは1分18秒遅れと少し遅れ気味。山岳系の選手だけにしかたないか。メンショフにすでに抜かれて6位に転落してしまっている。
その次の3位争い、ペッリゾッティがピノッティから49秒遅れで、54秒遅れのブルセギンを5秒上回って最初のチェックポイントを通過する。って、スタート前はブルセギンが5秒上回っていたので、今、バーチャルの総合3位は同タイム…。
総合リーダー争いをすべきリッコ、タイムが伸びない。ピノッティから1分16秒遅れで最初のチェックポイントを通過。かなり厳しい状況だ。一方、コンタドールは快調な走りで、ピノッティから21秒差で最初のチェックポイントを通過。コンタドール、総合上位の選手の中では一番早い。
19.7kmにある2つめのチェックポイントでも総合3位争いは僅差。ペッリゾッティがピノッティから56秒遅れで通過したのに対し、ブルセギンは1分1秒遅れ。2人の差はまた5秒、ということはまた総合で同タイム。総合3位争いはどうなっていくのかわからない状態に。
総合優勝争いは、コンタドールが20秒遅れなのに対し、リッコは1分46秒遅れ、とさらにまた差がひらいてしまった。リッコ、挽回が苦しい、というより、何かトラブルでもあったらむしろ総合4位まで落ちかねない状況に。
そしてゴール、まずペッリゾッティが34分15秒でゴール。約3分後に通過するはずのブルセギンを待つ。そのブルセギン、終盤タイムをあげてきた。34分18秒でゴール。わずか2秒差で総合3位を守った。その瞬間、ペッリゾッティ、がっくり…
この後、リッコがやや元気なく35分17秒でゴール。さらにコンタドール、最後はお得意の願ポーズで余裕のゴール。33分24秒。最終日のタイムトライアルでリッコとの差を4秒から1分57秒に開いた。
この瞬間、ピノッティのステージ優勝が確定。ピノッティはハイロードの前身T-モバイル時代にマリアローザを着たと思ったのだけど、ステージ優勝は初めてなのだそう。ステージ2位にはマルティン。ハイロードは最終ステージ、ワンツーの勝利だ。ステージ3位にはイグナチエフ。今年もティンコフ、がんばった。
Marco Pinotti professional cyclist of Team High Road
総合優勝はコンタドール。残念ながらステージ優勝はなかったものの、インドゥライン以来15年ぶり2人目のスペイン人のジロ優勝。年越しではあるものの、1年のうちにジロとツールを制したのは10年前のパンターニ以来（その前はインドゥラインが1992年、1993年と連続で達成している）。
総合2位はずっと悔しいリッコ。あまりにいらだたしげな顔ばかりが記憶に残った。今度は笑顔もみたいものだ。総合3位はわずか2秒差でブルセギン。ずっとアシストでがんばってきたブルセギンが総合3位に顔を出すというのも、またすばらしい今年のジロでした。
アルベルト・コンタドール公式ページ
総合ポイント賞はベンナーティ。見事に今年のジロで3勝してのポイント賞ゲット。スプリンターとしての風格十分だし、まだまだ勝ち続けるでしょう。スプリント以外でも、意外に山を登っていたり、今日のタイムトライアルでも7位に入ったりと、多彩な面を見せてるのも将来注目かも。
ダニエーレ・ベンナーティ公式ページ
総合山岳賞はセッラがダントツで取ってしまった。ベンナーティと並ぶジロ3勝は、山岳系の選手では快挙、でしょう。2004年のデビューの年での1勝以来勝てなかったジロで、今年は立て続けの勝利で吹っ切れれば、今後の活躍も期待できそう。
CSF Group-Navigare:Emanuele SELLAプロフィール
それにしても、今年はいろいろとおもしろいところが満載のジロでした。印象に残る場面の多いジロ、といえるかもしれない。敗れ去ったとはいえ、ディルーカやシモーニの活躍もあったし、コンチネンタルプロチームのすばらしい活躍もありました。ティンコフとかCSFとかセッラメンティとか。
これで、明日からしばらく、夜が長くなりそうです。ツール・ド・スイスまでは…（笑）
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