自転車な話/2008-07-16
＜ツール・ド・フランス＞第11ステージ、最後は数センチを争うスプリント… †
ツール・ド・フランス公式ページ
今日の第10ステージはラヌムザンからフォワまでの167.5km。休養日を挟んでピレネーの3日目ということで、今日もピレネーの美しい景色を見ながらのツール。建物がやはりスペインっぽいですねえ。赤い屋根のちょっとごちゃごちゃと立ち並ぶ、いかにも古めかしい壁の建物がいかにフランスの南まで来てしまった、という感じ。ゴール地点のフォアのお城もなかなか趣があってよかったですねえ。一度行ってみたいなあ。でも、仕事はあるけど金がないし、いけないなあ（涙）
レースは35km付近で抜け出した11人の集団がどんどん差を広げていく。後ろの集団も逃げを容認、先頭集団とメイン集団との差は最大で16分以上も開いてしまった。
そんな中、先頭集団から飛び出したのはモワナール（コフィディス）。110km地点にある1級山岳ポルテル峠への登りで先頭集団の中からアタック。先頭の残り10人はこのモワナールの逃げを容認。モワナールはポルタル峠への登りをうまくこなして山岳ポイントを先頭通過、そのまま下りに。一時は10人との間を2分以上開いてしまう。
一方メイン集団からはペレイロ（ケースデパーニュ）がアタック。ただし、こちらはすでに15分近く離れてしまっているということもあり、再び集団に戻ってしまった。
モワナールの逃げは終盤になってもなかなか衰えない。コースがカーブやアップダウンが多いと言うこともあって、差はじりじりと詰まりつつも、後ろの10人の集団がなかなか追いつけないのだ。モワナールもカーブをコーナーぎりぎりで曲がっていく。もう少しで向こうのがけに落ちてしまいそう。必死で逃げようとしている。
とはいうものの、残り10kmを切って、残りは11秒。そして残り4kmで後ろの集団からノルウェーチャンピオンのアルヴェセン（CSCサクソバンク）と元スイスチャンピオンのエルミガー（AG2R）がアタック、モワナールは吸収されてしまった。
このアルヴェセンとエルミガーの逃げは強力で、残りの9人をじわじわと引き離していく。この2人を追い上げたのがバッラン（ランプレ）、さらに後ろからモーレンホウト（ラボバンク）も追い上げていく。一方残りの選手たちは後ろに取り残されてしまった。
アルヴェセンとエルミガー、なんとかバッランから逃げようとするが、バッラン残り2kmで追いついてしまった。すかさずアタックを仕掛ける。しかし、このアタックは決まらず、後ろから追い上げてきたモーレンホウトとともに4人の集団となり、残りは1km。
残り1kmを切った当たりからアルヴェセン、4人の先頭でひき始める。後ろにエルミガー、バッラン、そしてモーレンホウト。ゴール前最後の直角カーブを抜けたところでアルヴェセン、加速。この加速でモーレンホウトが追い始める。アルヴェセンのすぐ後ろはエルミガー、バッランはアルヴェセンの右に出て前を伺う。
アルヴェセン、回りを見て再加速、ゴールに迫る。右からバッランが追い上げる。そして左からはエルミガー、迫る。
3人ほぼ横並びでゴールラインを通過、しかし、左手を小さく挙げて喜びを表したのはアルヴェセンだ。アルヴェセン、ツールでの初勝利を飾った。2位はエルミガー。ただし、アルヴェセンとエルミガーとの差はわずか数センチ。3位にはバッランが入った。
クルトーアスル・アルヴェセン公式ページ
総合優勝争いの選手たちはアルヴェセンから14分50秒遅れで集団ゴール。総合争いには大きな変動がなく、総合リーダーはエヴァンス（サイレンス・ロット）、総合2位は1秒遅れのF.シュレック（CSCサクソバンク）、総合3位は38秒遅れのヴァンデヴェルデ（ガーミン・チポレ）。
また、総合ポイント賞のフレイレ（ラボバンク）、総合山岳賞と総合新人賞のリッコ（サウニエルデュバル）も変わりなし。
それにしても、モワナールの必死の逃げはひょっとして逃げ切れるかと思ったのだけど、あと少しで追いつかれてしまってちょっと残念。そして最後、アルヴェセン、エルミガー、バッランの3人のつばぜり合いはおもしろかったです。もう少しゴールが向こうだったらエルミガーとかバッランが優勝していたのかも…
そして、今日でピレネーも終わって、明日からしばらく南仏の平坦ステージ。スプリンターが活躍するのか、それとも逃げ集団？楽しみです♪
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