自転車な話/2008-07-20
＜ツール・ド・フランス＞第15ステージ、ジェラン逆転ステージ優勝！マイヨジョーヌはシュレックに！ †
ツール・ド・フランス公式ページ
ツール・ド・フランスはいよいよ決戦の場、アルプスに。初日の第15ステージはアンブランからプラート・ネヴォーゾまでの183km。
途中、約50km登って超級山岳のアニェル峠を越え、また60kmほど下った後、1級山岳のプラート・ネヴォーゾの山頂ゴールに登るという厳しいコース。今日はテレビはレース直後からやっていたのを見ていたのですが、アニェル峠を登っていくといよいよアルプスという雰囲気、そして峠を越えるとイタリア領に。下界の建物なんかもフランスからイタリアに来たなあ、という感じで、またこちらはこちらでとてもいい感じの教会やお城、町並みがあったりして、今日もレース半分観光気分半分で見てたりしてました。
もっとも、最後の山頂ゴールに向けての戦いは目が離せなかったですが。そして、やはりレースは動きましたねえ…
今日活躍した選手と言えば、やはりまずはジェラン（クレディアグリコル）。レース直後の逃げに乗って、マルチネス（エウスカルテル）、アリエッタ（AG2R）、ペイト（ガーミン・チポレ）と先頭集団を形成。アニェル峠をマルチネス、アリエッタにつづいて3位通過、メイン集団との差はこの時点で12分5秒。
さらに、アニェル峠からの長い下りの途中、後ろのメイン集団でペレイロ（ケースデパーニュ）が病院に搬送されるほどの激しい落車、さらに平坦になってロータリーを通過しているメイン集団で大落車があって追撃の勢いが止まってしまう。このおかげで11分以上離れた状態で最後のプラート・ネヴォーゾへの登りにたどり着いた。
残り8kmでマルチネスがアタック、ペイトがついて行った時に、ジェラン、遅れてしまった。しかし、粘り強く追走してついて行きついに追いついてしまった。すばらしい。でもそうとうきついはず…
メイン集団ではCSCサクソバンクが途中からずっと活躍していた。アニェル峠を下って一旦ランプレが集団を引き出したところでオグレディ、セレンセンが先頭に入り、集団をひく。さらにカンチェラーラ、そしてプラート・ネヴォーゾへの登りに入ってフォイクトでキルシェン（コロンビア）、クネゴ（ランプレ）らをふるい落とし、さらに、メイン集団が10人ほどになったところではA.シュレックが集団を加速。終始CSCサクソバンクの選手たちが先頭に出てひたすら戦う展開だった。
この展開に登りに入って積極的に動いたのがメンショフ（ラボバンク）。一旦かけたアタックがカーブで落車となったが、再度アタック。このアタックにコール（ゲロルシュタイナー）、サストレ（CSCサクソバンク）、バルベルデ（ケースデパーニュ）はついて行くが、総合リーダーのエヴァンス（サイレンス・ロット）、2位F.シュレック（CSCサクソバンク）、3位ヴァンデヴェルデ（ガーミン・チポレ）らは牽制、メンショフらとエヴァンスらの間が開いてしまった。
先頭集団は3人のままゴール前1kmを切る。まず加速したのはペイト。マルチネスがそれに続く。
しかし、その後ろから猛スピードで2人を追い抜いて行ったのは、なんと登りであれだけ苦しそうだったジェランだ。この加速にペイト、あっさりあきらめる。マルチネスもしばらく追ったが追いつけない。そのままジェランが両手を挙げてゴールラインを通過、そのまま両手をぐるぐる回して喜ぶ。ジェラン、ツールの初優勝をアルプスのステージで飾った。2位は3秒遅れでマルチネス、3位は10秒遅れでペイト。
サイモン・ジェラン公式ページ
後方では総合争いが激しくなってきていた。総合4位のコール、5位のメンショフ、6位のサストレ、12位のバルベルデが集団となり、総合リーダーのエヴァンス、2位のF.シュレック、3位のヴァンデヴェルデらが30秒以上の差を開けて追いかけている。
ゴール直前にコールがアタック、このアタックにまずメンショフが、さらにバルベルデが遅れる。そのままコールとサストレ、4分3秒差でゴール、続いてバルベルデ4分12秒差、メンショフ4分12秒差でゴール。
その後ろの集団では残り1kmを切ってF.シュレックが満を持したアタック。このアタックにヴァンデヴェルデはついて行くが、エヴァンス、遅れてしまった。シュレックは4分41秒遅れ、ヴァンデヴェルデ4分43秒遅れ、そしてエヴァンスはさらに遅れて4分50秒差でゴール。
この結果、総合リーダーを含む総合成績が大きく変動した。総合リーダーはエヴァンスに変わってF.シュレックが見事にマイヨジョーヌを獲得。総合2位には7秒差でコール、エヴァンスは8秒差で総合3位に転落した。総合山岳賞はチームメイトのラング（ゲロルシュタイナー）に変わって今日大活躍のコールが獲得。総合ポイント賞のフレイレ（ラボバンク）と総合新人賞のニバリ（リクイガス）は変わりなし。
しかし、アルプス初日からえらいステージでした。先頭ではジェランが一旦脱落した状態から追いついて、最後、一気に逆転勝利だし、後ろではコール、サストレ、F.シュレックらが力強い走りでした。一方、エヴァンス、ちょっときつそうだったのが印象的。でも、まだタイム差は8秒。明日の休養日を挟んでまた明後日から違う展開になるかもしれません。
それにしても、総合上位がものすごい僅差になってきました。
- F.シュレック（CSCサクソバンク） 63h 57' 21"
- コール（ゲロルシュタイナー） + 00' 07"
- エヴァンス（サイレンス・ロット） + 00' 08"
- メンショフ（ラボバンク） + 00' 38"
- ヴァンデヴェルデ（ガーミン・チポレ） + 00' 39"
- サストレ（CSCサクソバンク） + 00' 49"
ということで6位までのタイム差がわずか49秒。おそらく総合争いはこの6人に絞られたと言えるでしょうね。気になるのは総合優勝候補とは思われていなかったコールとヴァンデヴェルデ。この2人がダークホースになっています。
特にコールはピレネー、アルプス初日、と、山岳に入ってどんどん順位を上げていて、今日のステージでは総合争いの中ではトップでゴールしてるんですよね。
明日の休養日をはさんでまだまだアルプスが続くということで、コールも含めた総合上位争い、まだまだ激しそう。楽しみです♪
コメントはありません。 コメント/自転車な話/2008-07-20?
