自転車な話/2008-05-24
＜ジロ・デ・イタリア＞第14ステージ、セッラ、雪辱の大逃げ勝利！ †
ジロ・デ・イタリア公式ページ
ジロ・デ・イタリア第14ステージはヴェローナからアルペ・ディ・パンペアーゴまでの195Km。今日からドロミテの厳しい山岳ステージが続く、今日はその第1弾。
今日は後半に1級山岳と超級の山頂ゴールがあり、総合順位に変動があることは必至。特に最後のパンペアーゴの登りでは最大斜度16%の登りがあり、ゴール前もずっと12%前後の登りが続く厳しいコース。果たして誰が生き残り、誰が遅れていくのか、どきどきしながら見ていました。
レースは序盤から13人の選手の逃げが決まり、それに対してマリアローザのヴィスコンティ（クイックステップ）や総合優勝争いの選手たちがいるメイン集団が追走するという形で前半進んで行く。先頭13人とメイン集団との差は最大で7分40秒ほども開くが、その後徐々に追い上げて、1級山岳のマンゲン峠の麓では6分ほどの差に。
まず13人がマンゲン峠に登り始める。ここでセッラ（CSFグループナヴィガーレ）がアタック。他の選手が追従しようとするがセッラの勢いがすごい。一気にセッラ、単独の逃げとなり、後ろの集団もばらばらになってしまった。
メイン集団からは1級の登りで徐々に選手が遅れはじめ、ついにマリアローザのヴィスコンティも遅れ始めていく。ガラテらクイックステップのアシストたちがなんとか引き上げようとするが、その差はどんどん開いていくばかり。
マンゲン峠の先頭ではセッラが先頭で通過、これを追うキリエンカ（ティンコフ）とロドリゲス（ケースデパーニュ）は2分42秒差。メイン集団は10分57秒差、ヴィスコンティらの集団に至っては12分43秒も離れてしまった。
下りに入ってもセッラの勢いは落ちない。一気にくだって、いよいよ最後のパンペアーゴの登りに入った。なおもセッラ、快調。厳しい登りをものすごい勢いで登っていく。今日優勝する、それだけを信じて走っている。終盤4kmからはさらに勾配がきつくなり、残り2kmは16%の厳しい登り、だが、ただ前を見てひたすら自転車をこいでいる。
今日のセッラはそのまま誰にも追いつけなかった。そのままゴール前に。喜びの表情でゴール。2004年のジロ第11ステージ以来のジロ・デ・イタリアでの勝利だ。ゴールラインでスタッフと抱き合って泣き崩れる。今年の第7ステージではパンクで遅れて悔し涙のゴールだったのだけど、今日はうれし涙のゴールだ。
ステージ2位は4分38秒遅れてキリエンカ、3位は5分8秒遅れでロドリゲス。どちらもふらふらでゴール。
CSF Group-Navigare:Emanuele SELLAプロフィール
セッラがゴールした頃、次々と選手が脱落して小さな集団となってしまったメイン集団では、いよいよ本格的な戦いが始まった。
総合2位のボシージョ（LPRブレイクス）らLPRのアシストが全部いなくなり集団はシモーニ（セッラメンティ）が加速。
その集団からまずペッリゾッティ（リクイガス）、そしてポッツォヴィーヴォ（CSFグループナヴィガーレ）がアタック。この加速でクレーデン（アスタナ）、ピエポリ（サウニエルデュバル）、去年の覇者ディルーカ（LPRブレイクス）、そして総合3位のコンタドール（アスタナ）が遅れた。
そのポッツォヴィーヴォをかわすようにメンショフ（ラボバンク）がアタック。これで今度はポッツォヴィーヴォとリッコ（サウニエルデュバル）が遅れた。厳しい勾配での厳しい戦いだ。しかし、リッコは再び追撃、ペッリゾッティに追いついた。
ゴール前に来てメンショフを追うのはペッリゾッティとリッコ、そしてシモーニが少し遅れてバンデンブルック（サイレンス・ロット）と追走。
結局メイン集団の中ではメンショフがリッコから8分48秒遅れてゴール。続いてペッリゾッティとリッコが8分57秒差でゴール。シモーニは9分1秒差、ブルセギンが9分3秒差。
ディルーカは9分14秒差、コンタドール9分33秒差、そしてクレーデンに至っては9分57秒と遅れてしまった。
この後総合2位のボシージョ（LPRブレイクス）が10分37秒差でゴール、総合リーダーのヴィスコンティは18分２秒と大きく遅れてしまった。
これを受けて、総合リーダーはボシージョがジャンプアップ。総合2位にはわずか5秒差でコンタドール、総合3位はブルセギン、となった。
総合山岳賞のセッラ、総合ポイント賞のベンナーティは変わらずだが、総合新人賞はヴィスコンティが大きく遅れたため、リッコが新人賞ジャージを着ることになった。
しかし、今日のステージはセッラに尽きますねえ。まだ２つ山を残したマンゲン峠の登りでのアタックの勇気とその逃げを決めたすばらしい体力。第7ステージでの涙をはねのけるようなすばらしい大逃げでの勝利でした。考えて見れば、マリアローザのボシージョ、そのセッラが涙の第7ステージでステージ優勝してるんですよねえ。
それにしても、明日も厳しいドロミテの山岳コース、です。今日アスタナのコンタドールやクレーデン、それにディルーカも途中で遅れてしまったのが気になりますが、果たして明日はどんなレースになるのか、楽しみです♪
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