自転車な話/2008-07-13

Last-modified: 2008-07-14 (月) 01:38:54 (5766d)

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＜ツール・ド・フランス＞第9ステージ、アスパン峠を制したリッコ、2勝目！ †

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今日の第9ステージはトゥールーズからバニェール・ド・ビゴールまでの222km。
いよいよツール・ド・フランスはピレネーのステージに入った。途中、ペイルスールドとアスパンという、ツール・ド・フランスではおなじみの1級山岳を越えて、下ってバニェール・ド・ビゴールにゴールするというステージ。
レースの方もおもしろいのだけど、なんと言っても周囲の景色が美しい。なんとなくだいぶ風景もフランス南部になってきた感じ。ピレネーも木々が多い感じで、いい雰囲気だ。今日は幸い雨も降らなかったようだし。

今日のレースで目立ったのはまずラング（ゲロルシュタイナー）。24km地点でクチンスキー（リクイガス）、かつての山岳王の弟、N.ジャラベール（アグリチュベル）と逃げ出した。
ラングってタイムトライアルのスペシャリストというイメージがあって、かつて2006年にドイツチャンピオンにもなっており、結構大きい選手なので山岳は苦手というイメージがあったのだが、一番快調だったのはラングだったようだ。途中の４つの4級と１つの3級山岳を取り、最後に残る２つの1級山岳の最初、ペイルスールド峠ではまずジャラベールを、次いでクチンスキーも置き去って、集団と5分20秒の差をつけてペイルスールド峠を通過、もしこのまま最後のアスパン峠も先頭で通過してしまったら、1日で山岳賞を奪取ということもありえそう…

しかし、ラングのパワーもこのあたりで限界に来ていたようだ。アスパン峠に入るとメイン集団との差がどんどん詰まっていく。
後ろのメイン集団は最後の登りと言うことでシューマッハ（ゲロルシュタイナー）のアタックをきっかけに、いくつものアタックがかかりはじめて集団が不安定になってきた。その中で、モンフォール（コフィディス）や一昨日ステージ優勝したサンチェス（ケースデパーニュ）、さらにラングに山岳賞を取られたくないデラフエンテ（サウニエルデュバル）らが集団の前に出る。
残り30km、メイン集団からリッコ（サウニエルデュバル）が強烈なアタック。メイン集団、誰もついて行けない。前にいたデラフエンテ、びっくりして慌てて無線でチームカーに連絡を取っている。モンフォールとサンチェスも追い抜かれた。
そしてリッコ、そのままラングに迫る。
残り1km、リッコがラングをとらえた。一気に抜き去っていく。ラング、もはや追いつく体力もない。
その頃メイン集団では、総合3位のシューマッハが集団からじりじりと遅れていった。ゲロルシュタイナー、一気に全部が赤信号だ…

アスパン峠を先頭で通過したリッコ、そのまま下りに入る。うまく集団との差を保ちながら下っている。
ラングは集団から一時飛び出したニバリ（リクイガス）とともに逃げたが、メイン集団に捕まってしまった。他の逃げていた選手もその時点ですべて捕まっており、逃げるリッコと追うメイン集団という状態に。
しかしメイン集団、明日のこともあってか無理に追いかけようとはしない。耐えられなくなった数人が単発でアタック、その中でエフィムキン（AG2R）のアタックが決まる。大きなリードはないものの、少しずつメイン集団を引き離していく。
しかし、エフィムキンのアタックもリッコまでは全然遠かった。そのままリッコ余裕の逃げ切りでゴール前に。
両手の人差し指にキスしてその指で天を差し、さらにジャージのスポンサーロゴを指さす。そして両手を広げてバンザイの姿勢でゴールラインを通過。見事今年のツール2勝目だ。スプリンター以外で2勝するというのはすごい事です。ステージ2位はエフィムキン、そして3位にはメイン集団の先頭を取ったデッセル（AG2R）。

cobra ricco, riccardo ricco sito ufficiale ciclismo nazionale ed internazionale neocampione italiano
コブラ、だ！

総合リーダーはキルシェン（コロンビア）で変わらず、総合2位のエヴァンス（サイレンス・ロット）も6秒差で変わらず。しかし、昨日まで総合3位だったシューマッハが今日のステージで遅れて総合4位に後退、変わってヴァンデヴェルデ（ガーミン・チポレ）が総合3位にあがってきた。
総合山岳賞はデラフエンテが死守。しかし、総合ポイント賞は今日のステージ12位だったキルシェンが4ポイントを稼いで昨日まで同ポイントだったフレイレ（ラボバンク）に渡ったマイヨベールを取り戻した。また総合新人賞はロヴクヴィスト（コロンビア）に変わってA.シュレック（CSCサクソバンク）が獲得した。

それにしても、今日のステージはラング、リッコの2人の逃げがすごかったです。大きな体躯でぎしぎしと走って他の選手を置いて行ってしまったラングと小柄でぴりりとした鋭い走りのリッコ、対照的な2人のにげでとてもおもしろいレースでした。
逆に明日のこともあってか、今日は総合争いの選手があまり派手な動きをしなかったのが印象的でした。シューマッハにはもう少し残ってほしかったところでもあります。
明日はピレネー2日目。なんと言っても超級ツールマレー峠を越えてさらに超級オタカムへの山頂ゴール。またまた厳しいレースになりそう。誰が飛び出すのか、フランス革命記念日でフランス人の活躍はあるのか、そして、最後、総合優勝争いの選手たちの戦いはどうなっていくのか、楽しみです♪

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