自転車な話/2008-07-14
＜ツール・ド・フランス＞第10ステージ、オタカム超級、ピエポリさん余裕の勝利、エヴァンス涙のマイヨジョーヌ！ †
ツール・ド・フランス公式ページ
今日の第10ステージはポーからオタカムまでの154km。いよいよピレネーも超級山岳。超級のツールマレーを越えて、一旦下った後、オタカムの超級山頂ゴール。もうすごいですね〜。風景も序盤の街の続く景色から徐々に山に入っていって、そびえ立つ高峰、ものすごい渓谷、美しい高原を越えて、冬はスキー、夏もいろんな施設で楽しめる観光地のオタカム。見てる分にはすばらしいのだけど…
見てるだけでよかった（笑）
今日活躍したと思える選手はやはりディグレゴリオ（フランセーズデジュ）、でしょうね。
序盤の激しい展開から残った7人、彼らがツールマレーの登りに入るやいなやアタック、フランスでは「ヴィランクの再来」とも言われているようですが、それを彷彿とさせる登りでツールマレーの厳しい登りをぐいぐい登っていく。そのまま山頂を2位集団に2分10秒、メイン集団には6分差をつけて通過、ひょっとしたらこのまま行ったらステージ優勝があるかもと思われたのですが、メイン集団で総合争いの戦いが始まってしまって、ツールマレーからの下りで一気にメイン集団に迫られ、総合優勝どころかオタカムの登り口であっさり捕まってしまいました。最終的には9分9秒遅れのステージ29位。敢闘賞をもらってたけど、表彰台でのちょっと残念そうな表情が印象的でした。
それにしても、今日はフランスの革命記念日。フランス人のディグレゴリオ、ロワ（フランセーズデジュ）とフランス人がツールマレーをワンツーで通過して、フランスでは盛り上がったのではないでしょうか。
そのディグレゴリオのステージ優勝の夢をつぶした張本人がフォイクト（CSCサクソバンク）。ツールマレーの登りで小さくなったメイン集団を彼がものすごいスピードで引き出すと、次々と選手が脱落し始める。最初はアシストたちだったのが、そのうち総合3位のシューマッハ（ゲロルシュタイナー）などが脱落し、しまいには総合優勝争いに加わると見られていたバルベルデ（ケースデパーニュ）やクネゴ（ランプレ）も脱落。総合リーダーのキルシェン（コロンビア）も遅れないようついて行くのが精一杯の状況を作り出してました。ツールマレーの下りでも逃げ集団から降りてきたカンチェラーラ（CSCサクソバンク）とともに猛加速でディグレゴリオを追走、というよりバルベルデらを引き離しにかかって、オタカムの登り口では2分半以上も引き離してしまった。これでバルベルデ、クネゴらの総合優勝の夢がかなり遠ざかって行ってしまった。
さらにオタカムの登りでも前半メイン集団を猛スピードで牽引。最後、力尽きて降りていく姿はまさに職人芸、でした。
しかし、今日の主役はやはりサウニエルデュバルの2人。まず残り10km、F.シュレック（CSCサクソバンク）の波状攻撃アタックにピエポリ（サウニエルデュバル）が追従、これにはエフィムキン（AG2R）もついて行く。さらにその後ろからコーボ（サウニエルデュバル）とコール（ゲロルシュタイナー）がアタック。先頭は5人の集団となる。
一方、この激しい動きのなかで総合リーダーのキルシェンや新人賞ジャージのA.シュレック（CSCサクソバンク）らが脱落していく。
残ったのは総合争い上位のエヴァンス（サイレンス・ロット）、ヴァンデヴェルデ（ガーミン・チポレ）、メンショフ（ラボバンク）、サストレ（CSCサクソバンク）にリッコ（サウニエルデュバル）。この5人に他の選手が合流したり脱落したりしながら徐々に頂上が近づいていく。しかし、エヴァンス、メンショフ、リッコあたりがアタックするものの、決定的なアタックとはならず、先頭5人との差は徐々に開いていく。
先頭5人では、その中からエフィムキンとコールが脱落、サウニエルデュバルの2人とF.シュレック。F.シュレックは昨日まで1分56秒遅れの11位、エヴァンスとの差は1分50秒だが、F.シュレックの集団とエヴァンスの集団との差は、だんだんそのタイム差に近づいていく…
先頭3人では一旦ピエポリがアタックするシーンもあったが結局3人のままオタカムへ向けて登っていく。コーボがひたすら先頭をひく。F.シュレックが真ん中、そしてピエポリがF.シュレックをマークするように後ろについている。
残り3kmを切って、先頭3人の中からついにF.シュレックが脱落し始めた。ここで先頭はコーボからピエポリに変わる。コーボが何度も遅れそうになるのだが、そのたびにピエポリがコーボを待っている。去年のジロだっけ、シモーニとピエポリのワンツーステージ優勝の時のことを思い出させる光景だ。まるで若いコーボを教え諭しているよう。
そのまま残り1kmを切ってゴールへ。ピエポリ、そのままコーボをひいている。ひょっとしてピエポリがコーボに譲る？とも思ったんだけど、結局ピエポリがそのまま先頭でゴールに入っていく。
ピエポリ、最後は余裕の表情で両手を挙げてゴール。威厳さえ感じるステージ優勝はツールでの初勝利。その後ろで若いコーボ、喜びを体中に右手を1本たてて、「いっちば〜ん！」とでも言ってるかのようにゴール。ステージ2位を獲得した。その後ろ、F.シュレックはピエポリから28秒遅れで力の限界のままゴール。ステージ3位。
サウニエルデュバル公式ページ：レオナルド・ピエポリ プロフィール
F.シュレックとエヴァンスとの差は1分50秒。先頭のピエポリから2分18秒遅れでエヴァンスがゴールすれば、マイヨジョーヌはF.シュレックのものとなる。
コール、エフィムキンがゴールした後、エヴァンスらが入ってきた。エヴァンスは昨日の落車の怪我がかなり痛そうだ。メンショフは敢えてアタックしなかったようにも見えた。
最後ヴァンデヴェルデが加速、その横からリッコがアタック。しかし大きな差にはならず集団でゴール。ピエポリから2分17秒差。エヴァンス、なんとF.シュレックをたった1秒上回り、キルシェンからマイヨジョーヌを奪った。途中辛いときもあったのだろうか、表彰台では泣きながらマスコットのライオンにキスしていたのが印象的でした。
総合2位はそのF.シュレック、総合3位には38秒遅れでヴァンデヴェルデ。
総合ポイント賞は途中のポイントを稼いだフレイレがキルシェンのマイヨベールを奪った。これでキルシェン、昨日まで持っていたマイヨジョーヌとマイヨベールをどちらも失ってしまった。総合山岳賞は、ツールマレーを8位、そしてオタカムを6位で通過したリッコが同じチームのデラフエンテから山岳賞ジャージをもらう形に。リッコは今日大きく遅れたA.シュレックが持っていた総合新人賞も奪ってしまった。
しかし、やはりツールマレーにオタカム、総合が大きく動きました。キルシェンとシューマッハはちょっときついかな？と思っていたのだけど、バルベルデやクネゴがこの時点で大きく後退してしまうとは…
一方、エヴァンス、メンショフもだけど、ここへ来てヴァンデヴェルデがかなりいい感じで来ているような気がします。後はコール。ちょうどシューマッハに変わるように4位に入ったのだけど、アルプスでも活躍出来れば表彰台の可能性も。
遅れたと言ってもキルシェンもまだ1分56秒差。まだマイヨジョーヌを取り戻せないことはないタイム差なので、今後の活躍も期待です。
で、ツールは明日は休養日。やっとゆっくり酒が飲める、かな？
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